このような記事を読んでくれているあなたは運動が得意で特にランニングが好きだと思います。
毎日の慌ただしい生活の中にランニングを取り入れることで頭がすっきりしたり生活習慣病を予防できたりしますね。
最初は運動不足でジョギングを始めたけど気づいたら趣味でランニングを本格的にしている人も多いはずです。
そして、ランニングを始めるようになると偶に『ランナーズハイ』という言葉を耳にすると思います。
私がツイッターを見ていると下のようなランナーズハイに関する面白いツイートがありました。
ランナーズハイは
— カツサプ【公式】 (@katsuostamina) September 6, 2021
エンドルフィンの放出ではなく
エンドカンナビノイド受容体が原因だった⁉️
エンドカンナビノイドは、
いわゆる脳内マリファナ類似物質で🌿
免疫反応、生殖器形の健康や痛覚の調整に影響を与えます✨
起床時は濃度が3倍、
冷たいシャワーを1分浴びるとさらに活性化するそう☺️🚿 pic.twitter.com/A3CxyJ7kGA
私が今まで持っていたランナーズハイの情報と異なっていたので自分なりに調べて記事にしました。
おそらく私と同じように間違った知識を持っている人も多いと思うので正しい知識を身につけましょう。
それでは早速レッツゴー!
ランナーズの原因である脳内物質
最近の研究でランナーズハイは「内因性カンナビノイド」という脳内物質が引き起こすと明らかになってきました。
この物質はマリファナの有効成分である「カンナビノイド」よ非常によく似た作用を持ちます。
マリファナによく似た有効成分と聞いて驚く人もいると思います。
しかし、ランナーズハイで分泌される内因性カンナビノイドは違法に作られるドラッグと違って恒常性維持のために体内で必要とされて分泌されます。
ですので、ランナーズハイになったからといって危険な状態になるということはありません。
マリファナと類似した物質が分泌されているので高揚感や幸福感を感じるのは納得ですね。
カンナビノイドについてもう少し詳しく知りたい人は日本臨床カンナビノイド学会のサイトを覗いてみてください。
今まで考えられていた物質
最新の研究で明らかになるまでランナーズハイを引き起こす脳内物質は「エンドルフィン」と考えられていました。
エンドルフィンという単語は聞いたことある人も多いと思います。
エンドルフィンは脳内の神経伝達物質の1つです。
主な効果ととして、痛みを和らげる鎮痛作用や、幸福感をもたらしてくれます。
食欲、睡眠欲、性欲をなどが満足すると多く分泌されます。
つまり、人間の三大欲求を満たすと分泌され幸福感を感じられます。
ランナーズハイの原因物質と長年考えられてきた理由が分かりますね。
また、別名で脳内麻薬と呼ばれることもあります。
「内因性カンナビノイド」にしろ「エンドルフィン」にしろなんだか怖い感じがしますね。
それほど、この2つの物質は人間の心身に幸福感や満足感を与えてくれると考えられます。
脳内物質の知られ方
エンドルフィンがランナーズハイの原因物質と考えられた理由は少しの運動でエンドルフィンが脳内で多く分泌される臨床結果があったからです。
実験内容はあまり運動をしない男性8人に30分間自転車を漕がせた結果、運動前と比べると運動後ではエンドルフィンが75%も増加していていました。
その当時、エンドルフィンには気分をリラックスさせたり高揚感をもたらしたりすることが分かっていたのでこの物質がランナーズハイに影響を与えると考えられ、長年信じられてきました。
内因性カンナビノイドがランナーズハイに影響を与えるという説が浮上してきたのは2015年からです。
これを根拠づける実験は走る能力をもつ人間や犬と活動性の低い動物であるフェレットの運動前と運動後の血液を比べるというものです。
人、犬、フィレットをランニングマシンで運動させると、人と犬では運動後にエンドカンナビノイドとアナンダミドと呼ばれる物質が増加していました。
しかし、活動的ではないフィレットでは運動後もエンドカンナビノイドの濃度に変化がありませんでした。
その結果、研究チームは運動型の種には走る動機付けとして、エンドカンナビノイドを分泌し、ランナーズハイを引き起こすようになったと考えました。
他にネズミを使った実験もあります。
長距離を走らせて内因性カンナビノイドを多く生成させたネズミを熱したプレートにのせ、ストレスの反応を観察すると通常よりも熱さに反応する時間が長くなりました。
一方、エンドルフィンをブロックしたネズミにも同様な実験を行うと熱さに対する反応は変化がないことが分かりました。
このことから痛みを感じにくくするのは内因性カンナビノイドであり、ランナーズハイはエンドルフィンではなく内因性カンナビノイドが引き起こす説も有力になってきました。
そして、最近ランナーズハイは内因性カンナビノイドが引き起こしていると考えられるようになりました。
ランナーズハイは人類の進歩!?
ところで皆さんはなぜランナーズハイという現象が起きるようになったと思いますか?
詳しい理由は解明されていないのですがランナーズハイは『人類の進歩』だと訴えている説もあります。
例えば人類はかつて狩猟採集生活をしていました。
しかし、人間の走力ではシカやガゼルなどの動物に追いつくことはできません。
そこで、人類はランナーズハイを走力や持久力を高めるための進化戦略に用いたと考えました。
他の動物にしても同じような考えで説明できます。
ライオンやチーターなど肉食獣の場合には獲物を捕えられるように走力と持久力を高めるためにランナーズハイが現れた。
また、シマウマやウサギなど草食動物の場合には肉食獣に捕らえられないように走力と持久力を高めるためにランナーズハイが現れた。
どれも同じような理由ですね。
最後に
今回はランナーズハイが起こる際の分泌される脳内物質とメカニズムについて説明しました。
健康維持のためのランニングや低負荷のジョギングではランナーズハイは起こりません。
ランナーズハイの感覚を味わうためには身体的、精神的に限界まで追い込む必要があります。
今まで一度もランナーズハイが起こったことない人も多いと思いますが一度あの感覚に巡り会うとランニングが楽しくて仕方なくなります。
持久力と筋力に自信がある人はぜひ目指してみてください。
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